ATARIYA初のオリジナルアイテム ” UAスツール ” は、与謝野の家具工房 “ ARIA “ の協力で産まれました。
ARIAの前身となる有吉家具店は、1946年に あつらえ家具屋 として京丹後・与謝野に誕生。
高度成長期に、時間や手間のかかる別注家具から既製家具へと世の中が移り変わていく過程で、主業を家具小売店へとシフトし、工場は一旦姿を消します。
その後、いまの3代目となる有吉寿和さんが事業を引き継ぐ過程で、北欧の生活道具とそれを使う人々の暮らしの豊かさに触れたことから、日本の空間とも調和する北欧の家具をメインに取り扱うようになります。
一方で、椅子やソファ以外のいわゆる “箱もの” とよばれる収納家具は、決して広くはない日本の室内空間にはそぐわないものも多いことに気づきます。
そこで、デザインや質感にもこだわり、みなさまの多種多様な暮らしに合わせてつくり上げる家具を自分たちで提案したいと、2012年に創業の地の与謝野に家具工房 ” ARIA FACTORY HOME ” を立ち上げます。
その名前には、ゼロからものを産み出す場所。また、ものづくりの原点として、スタッフやARIAに関わる人たちに、“ 我が家 ” と思ってもらえるような場をつくっていきたい、という思いが込められているそうです。
このように、ARIA では、これまでは基本的にお客様とのセッションに応えた家具を作成し、納品してきました。
そのような経験を経て、今回のUAスツールには有吉さんがこれまでにあたためてきたオリジナル家具の企画が反映されています。
まず素材として選ばれたのは、いわゆる ” サブロク版 ” の板。
市販されている、一般的なサイズの3尺×6尺(909 ×1818 mm)の合板です。
このスツールのフレームに使用されていますが、捨てる部材が極力ないようにサイズを決めています。
オーダー家具のお客様のご都合によってサイズが決まる一方で、普通に流通している板材の都合に合わせて決められたサイズ、がまずはひとつの特徴です。
そして座面に使われているのは、独特の表情のある ” 丹後ちりめん ” の生地です。
与謝野は、長い歴史を持つこの織物の主要な産地として、一流の技術と品質が引き継がれています。
着物の生地として主に京都に流通する一方で、多種多様な織物を企画・提案する過程で、日の目を見ることのなかった生地が、現地には多数残されています。
そのような生地に活躍の場を与えることが、今回のものづくりの背景にはあります。
与謝野を拠点に、地元のひとたちとのつながりを大切に活動されている、有吉さんならではの視点から産まれたこのスツールのアイデア。
今回、ATARIYAのプロジェクトが立ち上がった際に、ワークスペースで使う家具としてご提案いただきました。
その高い完成度と、ものづくりに至る背景から、製品化されることとなりました。
UAスツールという名前は、ATARIYAを運営するウエダ本社(U)とARIA(A)の共同プロジェクトということに由来しています。
同じフレームを活用した、第2段、第3段の製品のアイデアもうかがって、近いうちにお披露目できる見込みです。