ATARIYA の一角にある TANGO CELLAR 。
丹後の魅力的な食や文化、工芸などが集まるショーケースとしての役割を担っています。
その中のひとつの展示物として置かれてある、さざなみヘアターバン 。
海をイメージした藍染めコットンに、上品に輝く丹後ちりめんを波のきらめきに見立て、その二つの素材を組み合わせて作られたヘアターバンです。
このアイテムを開発したのは、PARANOMAD 。
主催である 原田美帆 さんは、大手住宅メーカーでインテリアコーディネーターとして戸建住宅の内装を手がけ、空調・照明・間取り・造作家具・タイル装飾・カーテン・家具などの提案と設計を担当。
その後、現代アートオフィス勤務を経て、地域おこし協力隊として丹後に移住。地域の活性化に尽力する一方で、2015年にこのテキスタイルブランドを立ち上げました。
そのきっかけとなったのは、ある時突然に降りてきた「オーダーメイドカーテンをつくる」というアイデア。「窓から見える景色やそこに住む人の世界観からデザインするカーテン。これだけオーダーメイドがある世の中にまだない。私が作ればいいんだ!」という思い。
インテリアコーディネーターとして数多くのカーテンを見てきた経験から、クライアントの生活空間を包みこむ世界唯一の布づくりがライフワークになります。
そして長い歴史を持つ織物の産地・丹後に移住。
地元の織物工場との様々なプロジェクトに参加する過程で、国内各地の織物産地とも交流を重ね、多種多様なテキスタイルに触れてきました。
その経験が、オリジナルプロダクトの企画・制作に活かされています。
その傍ら、丹後を発信する様々な取り組みにも参加し、ライターやコーディネーターとしての活動もされています。
まず、THE TANGO 。
SEA・LUXURY・FOODの三つの要素で丹後の魅力を伝えるというこのウェブメディアでは、ライターとして様々なところを巡り記事を執筆しています。
次に、NEW WeAVE NEW TANGO 。
老舗の工房から移住者まで、地域の人たちみんなで「これまでとこれからが交わる丹後」を探し、作り、発信していくプロジェクト。
2021年より、阪急うめだ本店でポップアップのイベントを開催して、織物・工芸・食など、幅広いジャンルのブランドが集まり、丹後の「産地」としての魅力や「暮らし」の豊かさを伝えています。
そして、VISIT PROGRAM 織たび丹後 。
織物工場や農家・漁師・酒蔵など、丹後地域の営みと知見を巡る、参加者毎のオーダーメード型訪問プログラムです。
こういった様々な取り組みに精力的に携わることで、移住してきてからそれほど長くない期間にも関わらず、丹後地域全体の様々なジャンルの事業者に幅広いネットワークを持つ、地元でも稀有な存在となっているのではないでしょうか?
そんな経歴を持つ PARANOMAD 原田さん。
次のステップとして、2023年に与謝野町の加悦地区に念願の自前の工房をオープンさせる予定です。
2階建ての1階部分には、中古で購入した機械式の織機を設置して織物を制作する拠点に。そして2階部分は、事務所やショールームとして活用するだけでなく、手動の織機を設置して織物体験ができる場としても活用する方針。
これまでのオリジナルプロダクトは、与謝野町織物技能訓練センターにある織機をレンタルで利用していましたが、制作に時間的な制約がありました。
新工房を立ち上げることは大きな投資にはなりますが、そういった制約もなくなり、より自由に自分のペースで制作ができるようになります。
またこれまでひとりでやってきたものづくりについても、原田さんは企画・開発に 注力し、製造は地元の人に協力してもらう体制を目指したい、と。 そうすることで、PARANOMAD として丹後という産地と地域の魅力を広く伝える 様々な活動にも、今まで以上に取り組むことができるとのこと。
少し前の話ですが、東京で開催されたとあるイベントに出展した際に、掲示したパネルに数多くの来場者が反応してくれたことに、原田さんは手応えを感じています。
そこに記したメッセージは、自身が丹後に移住してきて感じたこと。
そのことに人々が反応してくれたということは、多くの人をこの土地に惹きつけることができる可能性に繋がるということです。
ATARIYA は、今後この PARANOMAD の活動と連携をしていくことで、産地を巡る魅力的なツアーを開発することができると考えています。
その第一段として、UAスツール を巡るツアーの計画が進行中です。
詳細は改めてお知らせします。お楽しみに。
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2022.12.08追記
TRACE THE TANGO vol.1「UA Stoolをたどる旅」募集を開始いたしました!
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